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ハーバード大学の研修

インプラントに関して世界でも権威のある大学での研修プログラムに参加しました。

こんにちは、院長の中野です。
この度、アメリカはボストンにありますハーバード大学のインプラント研修プログラムに参加させて頂きました。

私のこれまでの研修は日本国内とヨーロッパが中心でした。しかし国によってインプラントについての研究や治療方法は異なるため、今回はインプラント治療の先進国であるアメリカへの研修を決めました。

アメリカにはたくさんの大学があるのですが、ボストンにあるハーバード大学はインプラントに関しては世界でもとても権威のある大学です。

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ハーバード大学

成田から約13時間かけてボストンに向かいました。

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ボストンの空港に夜の19時に到着です。

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空港で入国審査をすませ、タクシーで空港からホテルに移動です。

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ホテルに荷物だけ置き、近くのレストランに食事に向かいました。
11月のボストンは日本より温度が低く、コートを着ていてもかなり肌寒く感じました。

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ボストンの食事は海鮮がメインのようでかなり量は多めです。

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レストラン

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ホテルについて歯を磨こうとしたら、歯ブラシの形に驚かされました。
毛束が広く、毛先は硬く、使うと毛先がボロボロとれてきました。
当院でお勧めしている歯ブラシとは真逆の形です。
奥歯を磨くのに苦労しました。

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ハーバード大学研修初日です。
早朝にホテルからハーバード大学に移動しました。

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ボストンの街並です

ハーバード大学に到着です。
建物に歴史を感じます。
ハーバード大学の歯学部と医学部の建物は隣接していました。

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医学部

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歯学部

大学で研修プログラムとネームプレートを頂きました。

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スタッフの説明の後、大学で用意していただいた朝食をとりました。

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研修会場に移動したのち、朝の8時30分から講義開始です。

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研修会場

一人目の講師はマイロン・ネビンス先生です。
世界でも有名な歯周病の専門医です。

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テーマは「歯周病になりやすい人に対しての治療計画」です。

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最初にネビンス先生の実際の臨床症例を拝見させていただきました。

309本の侵襲性の歯周病の患者様にインプラント治療をした結果、成功率は(3か月に一度のメンテナンスをして)上顎98%、下顎97%です。

ただしインプラントをする前に歯周病を完治させる事が重要であるとおっしゃっていました。

これには私も同意見です。歯周病を治さずにインプラントをすると感染のリスクが上がります。

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インプラント治療をする上で歯を温存するのかインプラントをすべきかは、慎重に決めるべきです。
なぜならインプラントにはインプラント周囲炎という問題があるからです。

お口の中に歯周病の状態の歯を残した状態でインプラント治療をするとインプラント周囲炎のリスクは上がります。

ネビンス先生のインプラント治療後の20年経過した症例を拝見させて頂きました。
20年間良好な状態を長期的に維持されていました。

良好な結果を出せたのは歯周病を治してインプラント治療をおこなったから、そしてその後口腔内の清掃を確実にしていたからだとおっしゃっていました。

ネビンス先生が治療に携わった1965年から現在までの、時代によっての治療技術の変遷について説明がありました。
入れ歯がインプラントに変わり、歯周病治療は切除療法から再生療法に変わりました。

ネビンス先生の長期症例を見て私が感じた事は、新しい技術を用いる事が正しいわけではなく、クラシカルな治療も症例に応じて行う事が重要であると感じました。

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吸収した骨の実際の再生療法のスライドを拝見させて頂きました。

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ネビンス先生はかなり吸収した骨でも見事に移植材とメンブレンで再生させていました。
通常抜歯になるような歯も見事な再生療法により保存していました。

ネビンス先生の長期症例そして再生療法を拝見する事ができ、本当に勉強になりました。

ネビンス先生は歯周病に携わる歯科医師にとっては伝説的な先生です。そのネビンス先生の講義を聴けただけでも本当にボストンまで来た甲斐がありました。

ネビンス先生ご講演ありがとうございました。

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午前の講義が終わり昼食の時間です。
昼食はハーバード大学の食堂でとりました。
食堂には学生や先生がたくさん集まっていて、昼食時でもアメリカを感じました。

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食事が終わり、少し時間があったので大学内を少し散策しました。
校舎の至る所に緑があり清々しい気持ちになりました。

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午後の講義一人目の講師はルカ先生です。

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テーマは「インプラントの審美とバイオタイプ」です。

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まずインプラントと角化歯肉についての講義です。

インプラント周囲組織に角化歯肉が必要であるかという研究結果はありません。
ただし長期的に見るとインプラントの周りに角化歯肉がなければ予後は悪くなります。

これには私も同意見です。インプラントの周りに強い歯茎がないと清掃をするのも困難になり、予後が悪くなるケースが多いと感じています。治療の際に強い歯茎をつくる事がインプラント治療の予知性を高める事になります。

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審美不良のインプラントを治療している症例を拝見させて頂きました。見事にリカバーされていました。

ただしリカバーするより、最初から正しくインプラント治療をする事が大切だとおっしゃっていました。

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抜歯即時インプラントについての講義です。

①埋入方向を正しくする事
②抜歯窩とインプラントの間に移植材を入れる事
③結合組織の移植を行う事

以上3つが抜歯即時インプラントを成功させるポイントです。

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本日の最後の講義はリー先生です。

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テーマは「無歯顎患者に対するインプラント治療」です。

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アメリカで入れ歯安定剤に費やすコストは、2億800ドルにおよぶそうです。
それだけ入れ歯に満足していないという事を指します。

歯が一本もなくても、インプラント治療をする事により義歯を安定させて満足度を上げることが出来ます。

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無歯顎患者へのインプラント治療には大きく分けて2パターンあります。
取り外しをしない固定制の治療と、インプラントで支える取り外しが出来るオーバーデンチャーです。

唇の上がり具合や骨の状態などにより治療方法を決定します。

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次はジルコニアアバットメントについてです。
ジルコニアアバットメントは破折がかなりの確率で起こります。
またジルコニアは硬度が高いので、チタンであるフィクスチャーが削れるため現在は使っていないそうです。

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本日の講義はこれで終了です。
大学内に一日中いたので気づかなかったのですが、外はすでに暗くなっていました。
まだ一日目ですが本当に学ぶ事の多い研修です。ボストンまで来た甲斐がありました。

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ハーバード研修二日目です。
今日も早朝からの研修です。

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最初の講師はキム先生です。

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テーマは「組織再生及び骨再生の誘導について」です。

まずはインプラントの埋入についての講義です。
インプラントの埋入時に一番考えないといけないのは清掃性です。

インプラント間の距離が短いと清掃性が不良になるので、インプラント治療の際には後々の清掃性が良くなるように行う必要があります。

そのためには術前の治療計画が最も重要です。

次にアバットメントについてです。

審美的な要求に対応するためにアバットメントにジルコニアを使用している症例もありますが、現在はチタンを用いています。

骨増生で重要なことは、骨面の除染を確実に行う事です。器具はスケーラーやレーザーを用います。

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メンブレンですがチタンメッシュが優れています。

再生療法も時代により変化しています。
エムドゲインからPDGFやBMPになり、そして現在はFGFが研究されています。

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キム先生は最後に「難しい症例を優しい症例に変えていく努力が必要である」とおっしゃっていました。
私も日々の臨床で同じ事を感じています。


次の講師はケビン先生です。

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テーマは「サイナスリフト」です。

サイナスリフトとは上顎洞内の骨造成を指します。

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上顎洞内の骨造成にはオステオトームテクニックとラテラルウィンドウテクニックがあります。

今回はラテラルウィンドウテクニックの多彩な方法を教えていただきました。

骨を用いずにサイナスリフトをする方法の説明があり、実際に治療を行っている症例を動画で拝見させて頂きました。

通常ラテラルウインドウテクニックは上顎洞内に骨移植材をいれるのですが、ケビン先生の方法は血液のみで骨造成を行っているので侵襲の少ない優れた治療法であると感じました。

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午前の講義は終了です。
昼食を昨日と同じ大学内の食堂でとりました。

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午後の講義まで少し時間があったので、ハーバード大学に隣接しているマサチューセッツ工科大学を少し見学しました。

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マサチューセッツ工科大学


午後の講義のスタートです。

午後の一人目の講義はエミリオ先生です。
彼はフェンシングの元オリンピック選手だったそうです。

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テーマは「インプラント周囲の組織のマネージメント」です

まずソケットプリザベーションについての説明がありました。
これは抜歯した直後に移植材を入れる治療方法です。
いくつかの移植材について説明がありましたが、その中でもFDBAが第一選択だとおっしゃっていました。

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次に実際の症例をいくつか拝見させて頂きました。

前歯部にインプラントをする際の軟組織を維持する方法は、大変素晴らしく勉強になりました。

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そして特にフルマウスの症例は圧巻でした。
インプラントは用いずに、歯周病治療をしたのち矯正とブリッジで治療を行ったケースです。
充分に機能と審美性を回復していました。

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ルカ先生は全ての症例においてインプラントを用いる必要はないとおっしゃっていました。
これには私も同意見です。症例に応じて可能な限り自身の歯を残す事が重要です。

最後にアメリカの現状についてお話しがありました。
現在アメリカでは専門医のクリニックだけではなく、大きな病院が増えてきているそうです。
口腔内の事は全身的な事にもつながっているので、一般の医院と連携していく事が重要だとおっしゃっていました。


本日の最後の講義はマーク・ネビンス先生です。

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テーマは「成長因子について」です。

ネビンス先生は最初に「治療はシンプルにすることが大切です。そのためには正しい手順を守ることが重要です。」とおっしゃっていました。
私も日々全く同じ事を感じます。
難しい症例でも、確実な手技を正しい手順で行う事により治療はシンプルになります。

成長因子であるPDGFを用いた症例を見せていただきました。
成長因子が開発されたおかげで、ネビンス先生の再生療法は進化しました。

スクリューとPDGFと自家骨を用いた、骨を再生させる数々の症例は本当に素晴らしいものでした。

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ネビンス先生の素晴らしい講義で本日のハーバード研修は終了です。
講義のあと外に出れば暗くなっていました。
集中していたため時間の流れが早く感じます。

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講義の後に、今回のハーバード研修で出会った日本人の歯科医師と一緒に大学の生協(COOP)に行く事になりました。

ハーバード大学にはいくつもの学部があるため、大学の生協と歯学部のある学舎は離れていました。
電車で生協に向かう事にしました。

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生協に到着です。

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さすがハーバード大学です。生協にはたくさんの書籍が並んでいました。

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生協で少し買い物を済ませたあと、皆で食事に行く事になりました。
ボストンについてから海鮮料理ばかりだったので、趣向を変えてイタリア料理に行く事に決めました。
ボストンの夜は大変冷え込みます。

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レストランに到着です。

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ボストンに着いてから大味でナマ物ばかりだったので、イタリア料理は本当に美味しく感じました。

食事中も診療や講義の話で盛り上がりました。
本当に皆様モチベーションが高く良い刺激を受けます。
翌日も早朝より大学での研修があるため、食事を早く済ませホテルに帰宅しました。

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研修も三日目です。

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これまではホテルから大学までタクシーで移動していたのですが、少しボストンの地理に慣れてきたので電車で大学まで移動する事にしました。

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大学最寄りの駅に到着です。
ボストンの朝は清々しく、紅葉の時期と重なっていたためとても街並みが綺麗でした。

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駅から大学まで歩いたのですが、大きな病院がたくさんあったのが印象的でした。
ハーバード大学の医学部が近くにあるからでしょうか。

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ハーバード大学に到着です。朝から大学までの徒歩もいい運動です。

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大学に着くと午前の講義のスケジュールに変更がある事を聞かされました。
朝食も急遽用意されたのか、これまでと異なりかなりアッサリ目でした(笑)

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午前の講義はロン先生からスタートです。

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テーマは「抜歯即時インプラント埋入」についてです。

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即時埋入とは抜歯したあと、待機期間を置かずにインプラントを埋入する治療方です。

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即時埋入が出来なければ早期での埋入を考えるそうです。

インプラントの即時埋入には良好な環境が必要です。

即時埋入のメリットは治癒期間の短縮と外科手術の回数を減らせる事が挙げられます。

インプラント即時埋入もコーンビームCTの出現によって確実な手術が可能になりました。
埋入角度を正確にする事により、審美的なインプラント治療をする事が可能になります。

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抜歯即時インプラントをする際の抜歯は外傷を与えてはいけません。
そのため、抜歯はペリオトームを用います。

フラップレスで大丈夫なものは全てフラップレスでインプラントを行います。
なぜならフラップをあけると骨の吸収が進むからです。

フラップレスで行った症例を見せて頂きました。
また実際どのようにドリリングしたらよいのかレクチャーがありました。

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午後のスケジュールはハーバード大学インストラクターのプライベートクリニックの見学です。
クリニックは大学から離れているため、バスで1時間程かけて移動しました。

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クリニックに到着です。

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院長のヤン先生です。

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まずは医院の見学をさせて頂きました。
ヤン先生が医院について説明をしてくれました。
とても綺麗な医院で設備も整っていました。

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医院の見学が終わり、地下の研修室に移動しました。
診療室にカメラがついており、それを地下の研修室のモニターで見学できるようになっていました。

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ヤン先生のご配慮で食事やドリンク、音楽の生演奏のご用意がありました。
おもてなしの心に感謝です。ヤン先生ありがとうございました。

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今回ヤン先生が行う治療は前歯のセラミック治療です。
具体的な治療内容としましては前歯6本の歯の形を整え、型取りをした当日にセラミックの被せ物を入れるというものです。
通常セラミックの歯を被せるには一定の治療期間がかかるのですが、それを一日で全て行います。

治療期間の短縮を可能にしているのがセレックという機械です。

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診療スタートです。
まずはヤン先生が歯の形を整えます。
次に整えた歯の形をスキャナーで読み込みます。これで型取りが終了です。
通常歯の型取りは印象材という粘土のようなもので行うのですが、セレックの場合はこの作業がありません。

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そのデータを歯科技工士がモニターで拡大して調整を行います。
作業が終わると、セレックがセラミックのブロックを削り出します。

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セラミックの歯が完成するまでの間ヤン先生の講義です。
ヤン先生の審美治療の数々の症例を拝見する事が出来ました。

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講義が終了する頃にはセラミックの被せ物が出来上がっていました。
実際に患者様に入れてみると自然な状態で調和していました。
一日で綺麗な歯が入り、患者様の表情も見違えるようになりました。

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日常にはない診療に触れる事が出来ていい勉強になりました。
ヤン先生、見学させて頂きありがとうございました。

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見学が終わると外は暗くなっていました。
バスでホテルに戻ります。今日も大変充実した1日でした。

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とうとうハーバード研修最後の日です。
荷物をまとめ大学に向かいました。

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朝食を済ませてすぐに講義です。

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本日一人目の講師はジュゼッペ先生です。

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テーマは「肝細胞」についてです。

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骨が出来るプロセスについてレクチャーがありました。
プロセスには2種類あり膜性骨化と内軟骨性骨化があります。

骨再生の3つの原則についての説明がありました。
1つ目の原則は機械的な固定です。
臨床ではチタンメッシュがベストです。その次はチタン強化型のメンブレンです。

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2つ目の原則は「ニッチの場所を理解する」です。
ニッチとはステムセル(肝細胞)がある場所です。
このニッチは骨髄と骨膜にある事が分かっています。

3つ目の原則は「ニッチをどのように活用するか」です。

BMP2とPDGFについての説明がありました。

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現在BMP2がニッチをあけるカギではないかと言われています。
なぜならBMP2を取り除いて骨折をさせる実験をすると、化骨化されなかったためです。

BMP2を使うのであれば骨膜をターゲットにし、PDGFを使うのであれば骨髄をターゲットにします。

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実際にBMP2とPDGFを使った臨床症例を拝見させて頂きました。

二人目の講師はながい先生です。
ながい先生は現在ハーバード大学で臨床教授をされています。

テーマは「審美」についてです。

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ながい先生は「色」について研究されています。

色の明度をCIELABといい、色の差を数値化したものをcolor differenceといいます。

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次は歯の色を調べる器材についての説明がありました。
現在いくつかの機材が発売されています。

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メタメリズムについて説明がありました。
どこで見るかによって同じ色でも違う色に見える現象のことです。

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CCM(computer color matching)とBlending Effectsについても説明がありました。

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ハーバード大学での最後の昼食です。
アメリカの食事にも少し慣れてきました。

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最後の講師はリー先生です。
リー先生はハーバード大学のレジデントです。

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テーマは「サイナスリフトとリッジオーグメンテーション」です。

サイナスリフトにはラテラルアプローチとクレスタルアプローチがあります。

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ラテラルアプローチの方がクレスタルアプローチより侵襲が大きくなります。ただしクレスタルアプローチは骨を圧迫するため、血液を供給できない場合があります。

この両方を合わせた治療がクレスタルウインドウテクニック(CWT)です。

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大幅な増骨手術で重要なのは骨移植材よりメンブレンです。
リー先生はチタンメッシュを勧めています。

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次はインプラント周囲炎です。
リカバーは自家骨がベストだとおっしゃっていました。

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リー先生の講義でハーバード研修も終了です。

数日間に及ぶハーバード大学での研修はかなりハードでしたが、最新の研究に触れる事が出来て本当にボストンまで来た甲斐がありました。

この研修をサポートしていただいたハーバード大学の講師の先生及びスタッフの方々、本当にありがとうございました。

研修終了後に修了式が予定されていました。
大学側が懇親もかねて夕食をご用意してくれていました。
場所は「ハーバードクラブ」という会場です。
「ハーバードクラブ」は高層ビルの38階に位置しており、通常この施設はハーバード大学の関係者しか入れません。

ハーバード研修

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38階に到着です。
フロアーに歴史が感じられます。

ハーバード研修

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中に入ればボストンの街並が一望できました。
朝から晩まで数日間にわたり研修が続き、疲れもピークに達していたのでその夜景は本当に美しく感じました。

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部屋に入ると素晴らしいディナーが準備されていました。
生演奏を聴きながらの感動的なディナーでした。

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食事も終えたころ、最後に今回のハーバード研修の修了書の授与式が行われました。

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ハーバード大学の研修はかなりタイトなプログラムでしたが、日本では学べない事をたくさん吸収する事ができました。
今回の研修で学んだ素晴らしい知識・技術の数々を、明日からの臨床に活かしていく所存でございます。

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